コンデジ持ってブラブラ 私の日常&非日常

独断と偏見の個人的な備忘録ですので、読み飛ばして下さい

エンゼルスの大谷君 私の歳になっては今さらですが、いつも学ばせて頂いています。ありがとうございます。大袈裟ではなくこのコロナ禍の時で私にとっての唯一の光でもあります。

Number1035号『大谷翔平 旋風を超えて』では、エンゼルスのジョー・マドン監督、そしてチームメイトたちが、大谷翔平について赤裸々に語っている。本誌に掲載できなかった様々な角度からの大谷像を一挙紹介する。
 残すところレギュラーシーズンもあとわずか。本塁打王へ向けひた走る大谷翔平の勝ち星は二桁へと迫り盗塁も20を超えた。ジョー・マドン監督は言った。


「すべての監督と選手が彼のことを口にし、畏敬の念を抱いている」


 すでにMVPは間違いなしという評価も得ている中でエンゼルスのチームメイトもそれぞれに畏敬の念を口にした。


 メジャー15年目、19年にはナショナルズで世界一を経験したベテラン捕手のカート・スズキは大谷のすごさをこう表現する。


「翔平のすごいところは、たったひとりで野球のすべてを見せてくれること。100マイル(約161キロ)を投げ、470フィート(約143メートル)の本塁打を放ち、盗塁だってたくさんする。こんな選手がこれまでにいましたか? 私は彼が一塁までとてつもないスピードで走り内野安打にし、外野の間へ打球を放ちダイヤモンドを走り回る姿を見ることが大好きだ。楽しい気持ちになる。本当にすげぇなーって感じですよ(笑)」


 ともにオールスターに出場し、自身もメジャーで二刀流の経験のある一塁手のジャレッド・ウォルシュは、球宴で自身が目にしたエピソードに触れながら話してくれた。


「オールスターの場で彼はいつもと比較にならないほどのメディアにコメントを求められ、テレビ番組にも引っ張りだこ。でも彼は笑顔で応対していたよ。その振る舞いは優雅でさえあった。ホームランダービーに出て、試合では先発投手を務め、一番打者でも出場する。100マイルのボールを投げる投手はいる。470フィートの本塁打だって打てる人はいる。でも、両方できるのは翔平だけ。その上でオールスターで見せた彼の立ち振る舞いは、彼こそが、真のプロフェッショナルだという証だと思う」


二刀流経験者が指摘する回復力「僕には不可能だね(笑)」
 今季は開幕から二刀流として、大谷はフル出場を続けている。シーズン前、誰がここまでの出場を予想したであろうか。リアル二刀流を解禁し、登板日前後の打者出場にも踏みきったジョー・マドン監督でさえ明確な答えは持っていなかったという。


「どこまでできるのか。正直なところ私にはわかりませんでした。私がプランとして明確に持っていたのはコミュニケーションだけです。私にはこれしかないんですよ。私の考えでは人間関係を構築するには、日々明確なコミュニケーションが必要だということです。前の年に何をしていたのか、何を考えていたのか、次の年に良い状況を生むためには何が必要なのか。つまり、すべては一貫性から始まり、コミュニケーションから始まるのです。今年は春のキャンプから翔平と一平(水原通訳)とは毎日話をしてきました。その結果が今につながっているということは言えると思います」


 二刀流の難しさを理解するウォルシュは大谷だけが持つ特別な能力に注目していた。


「彼の回復力だね。投手として、先発して100球を投げ、6回、7回まで投げてくれる。しかも三振をたくさんとる。さらにその間に打者でも出場し、フィールドを走り回っている。(7月26日の)ロッキーズ戦で投げた時なんか、盗塁して、滑り込んで、1回でユニフォームは泥だらけだったよ。それでいて7回まで投げて勝ち投手。次の日は打者として出場する。僕には無理、不可能だね(笑)」


 打者として、大谷と「1、2番コンビ」を組むデービッド・フレッチャーは打席での心得を話してくれた。


「彼の前(一番打者)を打つときは、相手のピッチャーになるべくたくさんのボールを投げさせたいと考えている。彼が打席に立つまでに少しでも多くのダメージを与えたいから。そして、できる限り出塁する。そうすれば、彼に任せておけば得点につながる。彼の前を打つようになって、打席で私の考え方も少し変わってきたような気がする」


大谷のナスティー・スプリットに「チームメイトで良かった」
 37歳のベテラン捕手カート・スズキは大谷の投球を受けることは「とても楽しい」と言った。その一方で「大変」という言葉も連発した。


「捕手にとっても厄介だよ。あのナスティー・スプリット(えげつないスプリット)を捕るのは大変(笑)。もちろんサインを出しているのだから、来るのはわかっている。でも、大変だ。特に走者がいるときにワンバウンドすれば捕手泣かせ。動きもすごい。だから、打者が打つのは非常に難しい。間違いなく、私には打てない(笑)。チームメイトで良かった」


 今ではすっかり当たり前と感じるような投打同時出場、そして打者として出場を続ける日々。ウォルシュはあらためて語る。


「彼がどれだけの才能を持ち、どれだけ努力をしているか、チームメイトはみんなわかっている。我々は今、『チームメイトのひとりがいいシーズンを過ごしているな』と思うようになってしまっているんだ。驚くべきこと、アンリアル(非現実的)なことが普通になってしまっている。15年、20年したら、きっとみんなこう思うだろう。『野球史上、最高の選手の最高のシーズンを俺は見たんだ。一緒に戦ったんだ』ってね」