© 毎日新聞 提供 新型コロナウイルスへの集団感染が確認されたゴリラ＝米ジョージア州アトランタで2021年9月14日、AP
　米南部ジョージア州アトランタの動物園で、20頭のゴリラのうち18頭が新型コロナウイルスに集団感染した。4頭は感染力が強いとされる変異株「デルタ株」に感染していた。無症状の飼育員からうつったとみられ、回復後に動物用のワクチンを接種するという。米メディアが14日伝えた。

　動物園などによると、複数のゴリラにせきや鼻水などの症状が出たため検査したところ、10日に陽性が確認された。20頭は四つの群れに分かれており、すべての群れに陽性のゴリラがいた。最高齢は60歳の雄のオジーだが、症状は軽いという。寄り添って生活しているため「陽性のゴリラだけを隔離するのは不可能」（動物園）で、飼育しながら容体を見守る。

　飼育員はワクチンを接種済みで、マスクを着用してゴリラに接していた。ゴリラの陽性が分かった後に症状が出始めたという。この動物園では米ゾエティス製の動物向けワクチンが到着し、順次、接種を始めるところだったという。

　米メディアによると、米国では今年1月、西部カリフォルニア州サンディエゴの動物園で、複数のゴリラが人間以外の霊長類で初めて感染しているのが確認された。東部ニューヨーク市のブロンクス動物園でもトラやライオンの感染が確認されており、全米各地の動物園でワクチン接種が進んでいる。【ニューヨーク隅俊之】