コンデジ持ってブラブラ 私の日常&非日常

独断と偏見の個人的な備忘録ですので、読み飛ばして下さい

映画 日々是好日 を見て


原作者の20歳の大学時代から44歳の社会人になるまでの24年間、茶道のお稽古を通した半生を綴ったエッセイを映画化し、主人公女性を黒木華さんとお茶の先生に樹木希林さんが好演しました。


エッセイが元なので、波乱万丈のストーリーではなく、日本の四季折々の景色や水の音に沿って、和やかで優しい時間と茶器や水が奏でる音が合わさり、主人公の歳が嵩んでいきます。


茶道を通じた主人公の自分探しで、人としての心が豊かになっていく様を描いています。
その主人公の姿は、心暖まり癒しを与えてくれました。
黒木華さんと樹木希林さんの不思議な演技力からそう感じられたのだと思います。


昭和と平成そして今後と時代は違えど、最も個性的で不思議な演技力を持ち合わせている樹木希林さんと黒木華さんです。
私のうがった見方ですが、この映画を通して「これからは貴女の時代よ」とバトンタッチをしたかのように思いました。


私は茶道の知識は全くありませんでしたが、茶道って素敵だなと思わせてくれましたし、直ぐに分かるものは時間を掛けず、直ぐに分からないものは長い年月を掛けて少しずつ理解を深める、主人公が茶道を通して人生を重ねました。


主人公の悩みや憤りに対し、具体的に回答を語るのではなく、時間を掛け一服のお茶を通して、ちょっとした心遣いや立ち振る舞いで導く姿が茶道の先生という、さりげなくも芯の強い女性を演じる存在感で、難しくも重要な役を演じ切っておられた、この映画の核心であり主役は、先日お亡くなりになられた樹木希林さんだと痛感致しました。


映画の最中、どういう訳か自然と目頭が熱くなり、見終えてからは心が洗われたように思いました。


ただどうしても意味が分からず唐突だと思った部分は急にお父さんが海から出て来て、主人公がずぶ濡れになりながら「ありがとうございます」を連呼していた映像でした。