コンデジ持ってブラブラ 私の日常&非日常

独断と偏見の個人的な備忘録ですので、読み飛ばして下さい

映画「空飛ぶタイヤ」を観て

私も10年ほど前に冤罪で、大企業と民事裁判で3年ほど闘い概ね勝訴し、ほぼ全額返金された経験がありました。


その3年間の中で、裁判長も大企業が言っている事が正しいという感じで、私どもの主張は全く通りませんでした。


大企業が新聞各社やテレビ局にリークし、私の名前は伏せてありましたが、世間に知らされる事になりました。


その事を知った友人知人からは避けられるようになり、会社経営をしていた頃ですので、白い目で見られるようになり、辛い日々を送りました。


しかし大企業側の証人が出廷した際に本当の事を述べてくれた事で潮目が一気に変わり勝訴する事が出来たのです。


この間はあっという間でした。


その後も大企業からの謝罪は全くありませんでしたし、大企業が新聞各社やテレビ局にリークしたのですから、謝罪広告ぐらい出すものだと思っていましたが、そんな事は夢のまた夢でした。


結果はどうあれ大企業と一般人が闘うには相応の覚悟と執念が必要であるとこの映画を見て、また自分も経験してそう思わざるおえませんでした。


この映画ではその時の大企業の社員たちの態度を思い起こさせられるようなシーンが多々あり、主人公の「赤松徳郎」(長瀬智也さん)の気持ちに立ち、「負けるな!頑張れ!」と握り拳に力が入り汗する瞬間が何度も訪れました。



映画の冒頭は主婦と幼い男の子が歩道を歩いている時に運送会社の大型トレーラーの前輪が外れ飛び、主婦にあたり即死だった。


舞台の運送会社は中小企業の赤松運送です。


「赤松徳郎」(長瀬智也さん)は父の後を継いで二代目の中小運送会社社長です。


亡くなった主婦の通夜に行くが、親族の男性から「顔も見たくない」と追い返された。


そして警察、自動車ディーラーの調査結果は「整備不良」に決まった。


その調査は事故を起こしたトラックの製造元であり、財閥系の巨大企業であった為、警察、遺族、赤松の息子の同級生まで調査結果を信じた。


しかし赤松は自社の整備士である門田の完璧な整備記録を見て、事故の原因は整備不良ではない事を確信して、自身で調査を始めた。


取引先やメインバンクからも見放され、八方塞がりに遭い出した。


マスコミにも注目される中、赤松の子供までが「人殺しの子」として、イジメに遭うようになっていた。


自動車製造元も生き残り為、そしてリコール隠しがバレないよう必死だった。


銀行、重工、商事などと巨大財閥系グループの一員であったが、前回のリコール隠しがあり、その評判から業績を回復させることができず喘いでいた時期でもあった。


業績が悪化しても、何かあれば同じグループの銀行が助けてくれると高を括っていたが、銀行自体も業績不振であり一向に上向かない自動車はお荷物である事を気付かないでいた。


赤松の会社に家宅捜査が入り、赤松自身は一人四面楚歌状態でしたが、援助をしてくれる者もいた。


以前、同じような事故を起こして、自動車製造元から「整備不良」として片付けられた他の運送会社の社員や、会社の部下たちそして自身の妻「赤松史絵」(深田恭子さん)でした。


赤松の父親の代から居て、専務の「宮代直吉」(笹野高史さん)は赤松を励まし、一緒に資金繰りに走ってくれた。


赤松は同じ「整備不良」の烙印をおされた運送会社の社員から資料を貰った際に自動車製造元が様々な事故を起こしている事を知り、原因を全て「整備不良」として片付けている事を知る。


そんな中で製造元社員の「沢田悠太」(ディーンフジオカさん)が、この事件の真相を会社側が隠している事を感じ取り、社内の親友やその仲間を使い独自に調査を始めました。


その調査は赤松への協力心からではなく、会社を守るという観点から、またひいては社内での自身の出世に基づいての事で、赤松の会社がどうなろうと全く関係がないぐらいのスタンスで、沢田は社長宛に名を名乗り内部告発の意見書を書いて、上司に託し届けた。


社長からシークレットで自動車製造元、常務取締役の「狩野威」(岸部一徳さん)がその文章を貰い、手を打ち出した。


それは、沢田の長年の夢だった「商品開発部への移動」という美味しい誘いを与えての口封じだった。


夢が叶って移動はしたものの、沢田に待っていた仕事は誰がやっても良いような仕事と上司からの冷たい仕打ちばかりでした。


そんな時に内部告発を無記名で行った、狩野常務一派から疑われて大阪に左遷された社員から「T会議」で使用していた一台のパソコンを「沢田さんを信じています」との言葉を残し託した。


そしてまた内部告発があり、この赤松の事件がまたもや製造元のリコール隠しではないかと、マスコミが嗅ぎつけるようになっていった。


赤松は独自に調査を開始していたので、事故を起こした当時のタイヤの部品の返還を製造元の沢田に要求しても、言い訳を言われ一向に返して貰えなかったばかりか、沢田から1億円を貸すから待ってほしいと頼まれる。


そんな沢田の態度を見て赤松は益々、製造元への不信感を募らせていった。


メインバンクからは貸し剥がしを受け、絶体絶命状態で、車をトンネル内で走らせ、自殺行為に及ぶが死に切れなかった。


そんな中で「週刊潮流記者」(小池栄子さん)がこの事件を追っていて、赤松を救ってくれるかのように見えていたが、製造元の邪魔が入り、週刊誌掲載がボツになった。


そのスクープ記事が出る事で潮目が変わると信じていた赤松は酷く落ち込んだが、記者に喫茶店で会い、その時にボツになった記事を見せてほしいと頼むが断られ、その代わりに記者から今まで製造元が起こした事故扱いの資料を貰い、一軒ずつ会いに行った。


数十社を赤線でつぶし、最後の数軒の時に富山の運送会社の話しを聞いた。


そこに会いに行くと、最重要資料を貰う事になる。


その資料とは製造元が作った新車の事故にも関わらず「整備不良」として片付けられたモノだった。


その資料を製造元と警察に差出し再調査を求めた。


ようやく赤松の無実を信じるようになった、神奈川県警港北署刑事の「高幡真治」(寺脇康文さん)が製造元に家宅捜索に入り、その模様を赤松運送の社員と一緒に赤松は見て喜んだ。


警察はその事件の責任者であった常務取締役の「狩野威」(岸部一徳さん)を逮捕した。


逮捕されている常務取締役の「狩野威」は余裕しゃくしゃくだった。


警察が捜索した際の資料の中には製造元の決定的な落ち度を証明できるブツはなかったからで製造元は徹底的に証拠隠しを図ったからだった。


沢田は赤松に1億円の示談金を提案した際に赤松は断った、その際に事故に遭われた母子の息子が書いた母への思いの文面を渡され、それを読んで、沢田の気持ちは事故にあった被害者の立場や思いに立った。


大阪に左遷された社員そして親友の気持ちを考え、大阪に左遷された社員から託されたT会議の内容が残されている社内用のパソコンを警察に届けた。


その事で、完全に製造元のリコール隠しが暴かれる事になった。


被害者のお宅に赤松が挨拶に行った際に、被害者のご主人から謝罪され赤松の無実が完全に晴らされた瞬間で、肩の荷が下りたと思う。


最後に赤松と沢田が事故現場で花を手向け言葉を交わすところは正に物語のエンディングを飾るシーンとして綺麗な終わり方でした。


長瀬智也さんだけでなく、「ザ!鉄腕!DASH!!」のTOKIOのメンバー全員が好きです。


理由は芸能人らしからぬ、亡き三瓶明雄さんを始め、農家や漁師などの一般人の方々とも普通に接し、尊敬している姿勢が素晴らしいと思うからです。


今回の山口さんの事件もあり、TOKIOのメンバー及びその関係者全体が元気を無くしていると思われます。


長瀬さんの演技があまりにも上手で更に私はファンになりましたし、これを契機にまた、元気な姿を見せて頂きたいと思います。


また深田恭子さんが17歳頃からのファンでして、劇中で気丈にも長瀬さんを励ましている姿が随分と大人になったなと思いました。


そして多くの俳優さんの素晴らしい演技にも感動させて頂きました。